趣味にのめり込んだライフスタイルを確立する秘訣/38explore 宮崎秀仁

男前アウトドアスタイルを地で行く「38explore」主宰、宮崎秀仁さん(愛称ミヤさん)。無骨なデザインながら高い機能性をも併せ持つミヤさんのアウトドアギアは、キャンプ道具だけに留まらない。クルマさえも、キャンプ道具のひとつになる。今の愛車は10万円で買ったホンダのアクティバン。商用の軽自動車だ。配達で使われるような働くクルマをアウトドアで遊べる車中泊仕様に仕上げる、ミヤさん流・軽バンカスタマイズとは。

防災用のシェルターを兼ねたい。それが私の軽バンカスタム

ひとたびミヤさんがキャンプサイトに道具を並べれば、そこはまるで野営場のような空間となる。使い込まれた道具類、アイディアたっぷりの自作ギア。それらアイテムが絶妙な統一感でまとまっており、真似したい! と、思わせる雰囲気がある。それもそのはず、インテリアデザイナーとしての顔も持つミヤさんは、キャンプサイトの空間づくりもお手のものだ。そして、その空間づくりにはクルマが欠かせない。

ミヤさんにとってクルマはただの移動手段ではなく「秘密基地であり、防災用のシェルターを兼ねたもの」。そのためには居住スペースとしての設備が必要で、すべて自身でカスタマイズを行なっているという。

ボディーの内側にあった遮音材を取り除き、代わりに住宅で使われるような断熱材を入れることで寒さ対策を行ない、窓には外部バッテリーから取る電動ファンを設けて換気対策も十分。これだけ手を加えると、車内で快適に過ごせるようになる。

「雨の日なんかは乾燥撤収などの手間もあるので車中泊にしています。車内で寝れば撤収も早いし、そもそもテントの設営要らず、ですよね(笑)」

軽自動車とはいえ、そもそも商用バンなのでラゲッジスペースはとても広い。そこにコットやコンテナ類などを入れれば、テント以上に快適なマイルーム空間ができあがる。食料を備蓄しておいていざというときに連泊もできる、まさに走るシェルターだ。

マットブラック仕様の外装もミヤさんによるもの。トラックの荷台などで使われるチッピング塗装を施している。さらにはフロントバンパー、リアバンパーをカットし、フォグランプ(作業灯)を取り付けてタイヤもインチアップ。クロスカントリー車のような外観にした。

これだけカスタマイズしても、かかった費用は10万円ほど。「車体が10万円なので、今のところだいたい20万円」というから驚きだ。まさに「できることは自分でやる」。設計、電気工事、大工、インテリアデザイナーの道を歩んできたミヤさんならではスキルが、軽バンカスタマイズにすべて発揮されているといっても過言ではない(ミヤさんの仕事編歴は#01にて)。

自身のライフスタイルを語るうえで欠かせない「スキをスキルにするヒント」とは

ミヤさんがクルマもキャンプも、そして、玄人はだしの写真もInstagramを使ったセルフブランディングも、一切合切を自分で行なうのはなぜか。それは単純に好きだからだ。その好きを実現するだけのスキルが本人に備わっており、まさに「スキをスキルに」にして活動している。「数パーセントの興味のためにのめり込めるか」と、ミヤさんは今の自分を振り返って問う。

「趣味を仕事にできる人、スキをスキルにしている人は、何をやっても面白くできる人、楽しく過ごせる人だと思います。好きなことがあるなら、それに向かって何ができるか、どうつなげるかを考えて、自分が今やっていることを見定めることが大事だと思います」

かつて、設計事務所に住み込みで働き、趣味のアウトドアもそこそこに、がむしゃらにスキルを身に付けてきた宮崎青年は、今、趣味にのめり込んだライフスタイルを確立している。

ただ、本人が「常に考えている、まだまだ考えている。考えることが好きなんでしょうね(笑)」と語るように、次のスキに向けてアイディアを練っているのも確か。立ち止まることなく、次の一手を考え、それを実行しているからこそ惹かれるのだ。