「二番煎じでもいい。とにかく始めること」スキを追求してスキルにする方法/芸人 ヒロシ

テレビでスーツを着てネタをやっていた頃とは違う顔を次々に見せてくれるヒロシさん。現在のYouTubeでの人気は、どうして得られたのか。さらに、その第一歩となるYouTubeへの動画アップという、実際に自分がやろうとすると意外に大きな一歩に思えることを行動に移すには、何が必要なのか。そして最も大きな命題、何をテーマにすればいいのか。そんな数々の疑問に対し、ヒロシさんがズバリ答える。

文句を言う前に、自分で始めることが大事

芸人として活動してきたヒロシさんが、YouTubeの「ヒロシちゃんねる」で視聴者数を伸ばしていくに連れ、周りからは色々な声が寄せられたという。

「YouTubeを始めてしばらくすると、ヒロシがなんかやってるとバレるわけです。そうすると、ヒロシは芸人として落ち目になったからYouTubeを始めたと言われ、一方ではYouTubeに逃げてきたとコメントされることもありました。ところが、登録者数も増えていくと、今度はヒロシは多少名前があるから視聴者が増えたと言われる」

他人の行動には手厳しい。それが有名人であればなおさらで、無責任に人を評価する。ふと自分のことを言われたようでドキッとさせられるヒロシさんの言葉だが、この言葉の背景には、叱咤激励の思いが込められているようにも感じられた。

「結局は自分への言い訳なんですよ。自分では何もしないで、人の事をああでもない、こうでもないと言ってばかりいる。これはYouTubeに限ったことではないと思います。そんなに文句ばっかり言う前に、自分で始めることですよ」

九州で生まれ育ち、高校の進路指導で「芸人になる」と言えば、「お前なんか成功しない」と言われてもその道を諦めずに成功を収め、今また、「芸人がYouTubeに逃げてきた」と言われるも40万人を超す人がチャンネル登録をするほどにまでなった。だからこそ、言えることがヒロシさんにはあるのだろう。

「周りの人は、こうしなさいと言いますよ。それで良くない結果になると人のせいにする。でもね、それって死ぬ間際に後悔すると思うんですよ。俺の人生は、人に操られてた人生なんだって気づいてしまう。それよりも俺は、死ぬ間際に好きなことやりきって死ぬんだなって思いたいんですよね。もちろん、人の注意とかはありがたく聞きます。でも、何の根拠もないストッパーをかけられるのは嫌だし、それを気にしてたら何もできません。やっぱり、まずはやることですよ」

自分の好きなことが見つからない、はずはない

話はさらに、副業を良しとする企業が増えてきていることにまでおよぶ。

「俺がサラリーマンで副業OKですよって会社から言われたら、あっ、一生面倒見る気が無くなったなこの会社って思います。ピンチですよ。だからこそ、自分がやりたいことをやるんですよ。それに、普通にサラリーマンをしていて月収を1万円上げようと思ったら、大変ですからね。それが副業なら稼げる可能性が高い」

自分がやりたいこと、好きなこととは何なのか。それを見つけるのも、別に難しく考える必要はないとヒロシさんは言う。

「好きだったら勝手に追求しません? 俺はどんなに疲れてても、家に帰ったらオナニーしますからね。好きだからやるんですよ。寝ようかなと思っていても、ビデオ選びすぎて気づいたら2時間経ってたとか。好きってそういうことじゃないですか。頼まれてやるもんじゃないんですよ。よく、好きなことがないって言う人いますけど、絶対ウソです。何かあるはず」

オナニー話はさらに熱を帯びる。

「オナニーが好きでいいじゃないですか。最高のオナニーをするために、TENGA以上の道具を作ったなんて動画でも面白いと思います。ダッチワイフを作りたいと思っても金がない。ならばダンボールでダッチワイフを作りました!でもいいわけです。そこに本気の工夫があれば面白いんですよ。その情熱があれば、その動画、俺は絶対に見ますけどね。とにかく発信することが大事なんですよ。発信の方法は、文章でもいいですし、写真だっていいと思います。まずは始めの一歩を踏み切ることです」

二番煎じ、そこから新しいものが生まれる

自分が好きなことを追求するとして、YouTubeに限ればやろうと思えば今すぐにでも始められるとヒロシさんは力強く言う。

「カメラは何を使えばいいんですか?って、そんなのスマホで十分。アップの仕方がわからないんだったら、YouTubeを見れば誰かがやり方を教えてくれます。そういう言い訳の裏側には、やりたいけどカッコ悪いから辞めておこうって気持ちがあるんです。でも、むしろそのカッコ悪さを出すんですよ。たくさんの人が、起承転結もないような、そういうリアルなものを見たがっているんだと思います」

YouTubeにおけるカッコ悪さで言えば、「今さら自分がやっても……」という二番煎じの気持ちも二の足を踏む理由になりそうだが、それもヒロシさんに言わせれば、「そんなの関係ない」となる。

「だって、何だってパクリですよ。音楽だってそうじゃないですか。日本ですごく売れていても、海外のロックバンドのパクリだったり、テレビ番組でもパクっているものはあります。僕の『ヒロシです』だって、ひと言ネタのパクリだし、あるあるネタですよ。でも、パクったとしても人はそれぞれ違うから、作ったものにも違いが出てくるわけです。僕の場合は、ひと言ネタが変な愚痴になったんですよ。だから、二番煎じでも三番煎じでもいい。そう言って批判する人には言わせておけばいいんです。それよりも、経験を積んで自分の色とかスキルを上げていけば、それが自分のスタイルになりますから」

なんだかとても勇気付けられる言葉だ。
「やるかやらないか」
成功する人とそうでない人の差があるとしたら、この1点に尽きるのではないだろうか。ヒロシさんは、今に満足することなく、さらなる小さな一歩を踏み出しているに違いない。