「古材を使うことはゴミを減らすに繋がる」建築建材のリサイクルショップが、解体される古い建物の“レスキュー”へ向かう/ReBuilding Center JAPAN 東野唯史

役目を終えて解体が決まった古い建物には、まだまだ新しい形で生まれ変われる木材などが眠っている。そうした古材や古道具を“レスキュー”して、これから役立ててくれる人に向けて販売しているのが、建築建材のリサイクルショップ「ReBuilding Center JAPAN(リビルディングセンタージャパン)」だ。

 

「メインの事業は、解体されるお家の家主さんから依頼されて木材などを回収しに行く『レスキュー』と呼んでいる活動です。その古材にひとつひとつ値段をつけて、見積もりを出して買い取らせていただく。引き取った後はきれいに洗って、売り場に出して販売しています」

こう話すのは、長野県諏訪市に拠点を構える「ReBuilding Center JAPAN」(以下、リビセン)の代表・東野唯史さん。“建築建材のリサイクルショップ” を謳う同店をオープンさせた東野さんが、現在にたどり着くまでにはどのような経緯があったのだろうか。

「大学時代は芸術工学部、英語名だとDESIGN&ARCHITECTUREなのですが、要はデザインを勉強していました。そこで出会った先生から、“デザインとサイエンス”、“デザインと医療”などのように、デザイナーにできることは色々なものの接点を増やして世の中を良くしていくことだと教わったんです。なので、デザインは消費活動を促すものではなく、ただ世の中のために使うスキルだと思って生きてきました」

自分のやりたいことと得意なことから導き出したデザイナーへの道。当時から独立志向があったようだが、実力も経験も十分でない状況で選んだのはデザイン会社への就職だった。

「大学を卒業したばかりの頃はスキル不足で、いきなり独立しても社会的なアプローチができないなと思って。そこで、とりあえず修行のつもりで展示会のブースデザインをしている会社に入り、3年くらい働きました。『なんとなく分かってきた!』と思ったタイミングで会社を辞めて、世界一周旅行に行って、帰ってきて、その時入りたい会社が見つけられなかったから独立しました。そうしたら運良く、東京・蔵前の「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」というホステルの仕事をいただきました。

そこのデザイン担当として入ったことで、いろんな大工さんと出会って店舗などの空間作りの方法を学ばせていただき、その後ようやくリノベーションの仕事をすることになります。最初はひとりで2年間くらいやって、2014年からは妻と一緒に2年間くらい『medicala』という空間デザインユニットを組んで、2016年の秋からリビセンを始めたという流れです」

なぜ「リビセン」を始めたのか?

全国各地を回って店舗の内装デザインを行う中で見てきたのは、次々と壊されていく空き家たち。そうした状況をどうにか解決できないかと考えていたときに出会ったのが、アメリカ・ポートランドにある「リビルディングセンター」(以下、本国リビセン)だった。

「『リビセン』の本元は、アメリカのポートランドにあります。新婚旅行で『本国リビセン』を訪れたことが『リビセン』をスタートさせたきっかけです。いまは名前とロゴをいただいて公認という形でやっています。ロゴについては『本国リビセン』が作ってくれました。フランチャイズではなく、お金のやり取りや契約もない状態です。

そもそも最初は雑誌のポートランド特集を見て『リビルディングセンター』という存在を知ったくらいで、その時点では、まさか自分でリビセンをやることになるとは思っていなかった。ただアメリカのアンティークショップを見てみたい少年くらいのテンションで行ったんです(笑)」

帰国後、「本国リビセン」の公式サイトの問い合わせフォームから連絡。やり取りをしていく中でスムーズに了承をもらい、わずか1年後の2016年に「リビセン」を立ち上げた。次回の記事では、そんなリビセンの具体的な仕事内容について紹介していく。