身近でできるアウトドア体験! 「まちの植物はともだち」ツアーに親子で参加してみた

子どもと自然の中に出掛けたいけれど、キャンプに行くには道具の準備とかがちょっと大変……。そんな風に感じているパパは少なくないのではないだろうか?

かくいう筆者もその1人。そこで、まずは身近な街中での自然観察に出掛けてみることにした。参加したのは「まちの植物はともだち」という植物観察会。その名の通り、開催されるのは街中で、親子での参加も可能なうえ、歩く距離もそんなに長くない。アウトドア初心者でも参加しやすいイベントだ。そんなツアーに小学生の子ども2人と参加してみた。

駐車場にも意外な自然が

主催者である植物観察家の鈴木純さんは若いけれど、この道15年のベテラン。中国の砂漠で植樹をしていたこともあるといい、都市環境の中でも自然観察ができることを伝えたいと、このツアーを開催しているとのこと。「まちの植物の名前をちょっと知っているだけでも世界の見え方が変わる」という。

スタート地点の駐車場でいきなり植物の解説を始める鈴木さん。

駅近くの駐車場に参加者が集まった植物観察ツアーは、いきなりスタート地点の駐車場から始める。「みなさんオオバコの花って知ってます?」と言いながらしゃがみ込む鈴木さん。オオバコは知ってるけど、確かに花と言われると思い浮かばない。

どうやら真ん中のピンク色がオオバコの花らしい。

「オオバコは同じ株で雄花と雌花を咲かせるんです。しかも同じ個体で受粉しないように時間差で」と鈴木さんの話は続く。よく、オオバコは踏まれて成長するなんて言うけど、それも種を遠くに運んでもらうための植物の戦略らしい。そんな話がどんどん出てきて、気づけばスタート地点の駐車場だけですでに15分くらい観察が続いている。

子どもたちにもわかりやすい話のためか、みんな興味津々。

道端にも実は自然がいっぱい

駐車場を出て通りを歩いても新たな発見は続く。「このドングリ、2種類あるのわかります? こっちがスダシイでこっちがマテバシイ。マテバシイは2年かけてドングリを作るんです」と鈴木さんの話は尽きない。正直なところ、ドングリはドングリとしてしか認識していなかったので、違いを言われてもよくわからない。でも、子どもたちは真剣に耳を傾けている。

このドングリがどっちだったかわからないが、このまま大切に家まで持って帰った。

道端にある何気ない木も「これはトウネズミモチといって、葉っぱが光を透過するんです。日に透かして見るとハートマークが見えるかもしれませんよ」と言われると、少し興味が湧いてくる。日にかざしてみると、確かにきれいに光が透過して、葉脈が何かのかたちに見えるようだ。

きれいに日の光が透過するのがトウネズミモチと覚えると、道端の木も違って見えてくる。

葉っぱの違いもわかるように

どこからともなくキンモクセイの花の香りがしてくると「キンモクセイの花は見たことあると思いますが、実は見たことないですよね?」と話し始める鈴木さん。実はキンモクセイは大陸から渡ってきた植物なのだが、日本には雄の木しかないのだとか。一生懸命花を咲かせて異性(?)にアピールしても、キンモクセイは受粉ができないので、実がなることはないらしい。「そう思うと、なんだか切ない香りのように感じませんか?」。確かに、そう言われるとそんな気がしてくるから不思議だ。

そして、子どもたちが大興奮だったのがカタバミとアオキの葉っぱ。カタバミの葉には硝酸が含まれていて、10円玉を磨くときれいに輝くようになる。実際に子どもたちに10円玉を磨かせてみると、見たこともないような色になるのが面白かった様子。こういうネタは子どもたちに受けるようだ。

カタバミの葉をちぎって10円玉をこする。
見事にこすった部分だけが輝きを放つようになった。

アオキの葉っぱは「森の絆創膏」とも呼ばれているそうで、ちょっと火で炙ると肌に貼り付けることができる。実際に止血効果もあるとのことで、ちょうど転んでしまった子は擦りむいたヒザに貼り付けていた。

アオキの葉をライターで炙る鈴木さん。子どもたちは真剣に見つめる。
炙った部分はきれいに肌に貼り付く。まさに森の絆創膏だ。

ふと見ると、子どもたちの頭にはいつの間にか葉っぱの飾りが付けられていた。歩きながら、見かけた葉っぱを「きれいだから」と髪留めに付けたらしい。話を聞いているうちに、子どもたちも街の植物を身近な存在に感じるようになっていたようだ。

いつの間にかモミジの葉で飾り付けをしていた子どもたち。
気が付かないうちに筆者のカバンにも葉っぱが刺されていた。

2時間弱の観察会だったが、いつも通勤に通る道にある草木がそれぞれに名前と個性のある存在であることが改めて実感できた。同じ道を通っていても「あそこにもトウネズミモチの木があったのか」と気付くようになったので、確かに少しだけ世界の見え方が変わった気がする。同じような感覚を子どもたちも持ってくれたようなので、参加したよかったと改めて感じている。

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