英国一家は、青空の下で遊ぶ、飲む、昼寝する。イギリス式“脱力キャンプ”最新事情

道具よりも居心地主義
英国式「脱力」キャンプ。


歴史ある文化を愛し、伝統を重んじる国、イギリス。大都市ロンドンから少し足を延ばせばのどかな田園風景が広がり、美しい自然がそのままに残る。そんなイギリスのキャンプ最新事情を探る旅に出てみた。

気づいたらずっと座ってる。たまに寝る。

イギリスの夏は昼がとても長い。とはいえ時間的なものではなく、白夜の影響で日照時間が非常に長い、ということ。夏の時期はおおよそ4時・5時から明るくなり始め、21時・22時ごろになってようやく太陽が沈む。まさに1日の大半が明るいのであれば、なおのことアウトドアレジャーが捗るはず。

ガーデニングを愛し、休日はピクニックに出かけ、フライフィッシングにも興じる英国民たちはどのようなキャンプを過ごすのであろうか。

そんな思いを持って訪れたのがイングランド南部に位置するウエスト・サセックス州のキャンプ場「Blacklands Farm Caravan and Camping」。首都圏から2、3時間で着く場所だけあってロンドンっ子の人気も高い。実際にこの地で本誌取材班がキャンプしてきた。

近年のイギリスでは日本と同じように緩やかなキャンプブームが続いており、若者はキャンプフェスを楽しみ、家族連れは電源サイト付きの高規格キャンプ場へ向かう。完全趣味に走るソロキャンパーは人知れず森の中のフィールドに入り、釣り目的の人は湖畔にテントを張るなど、思い思いのスタイルでキャンプを楽しんでいる。

なお、ホテル並みのキャンプ施設もあり、日本同様に「グランピング(グラマラスとキャンピングの造語)」と呼ぶ。実際にイギリス人キャンパーたちから「グランピングって知ってる?」と、多く声をかけられた。もちろん知っている。

今回訪れたキャンプ場はフィールドがとても広く、24時間のシャワー付き・お湯が出る水場あり、水洗トイレ完備でコインランドリーもあるなど、高規格のキャンプ場に分類される施設。そのため、利用者の多くがファミリーキャンパーで、場内は大型テントが数多く連なっていた。フィールドの中心に大きな遊具施設が常設されているのも家族連れに人気の理由だろう。

前述の通り、イギリスの夏は朝から夜まで太陽が沈まない白夜なので、子どもたちはずっと遊んでいる。その間、大人たちはテントで寝る、読書する、ビールを飲むなど、とてもリラックスした時間を過ごす。


場内をぐるりと見渡してみても、忙しく動いている人や、こだわりキャンプスタイルがバッチリと決まっている人はいない。テントは大きいが、テーブルやチェアは必要最低限。むしろ地べたで料理もするし、寝転がりもする。キャンプ道具を同じブランドで揃えるということもせず、家のガーデニングで使っていたであろう、ウッド製の折りたたみファニチャーもちらほら見られた。

一見してまとまりがないようにも見えるが、どことなくキャンプはレジャー、自然のなかでゆっくり過ごすもの、という意識が根付いている印象だ。イギリス式のファミリーキャンプ、良い意味でとてもゆるい。

コンパクトカーが多いのも日本と同じ
イギリスではコンパクトカーをよく見る。限られたスペースを工夫して道具を詰め込む。

薪や炭はガソリンスタンドで買えます
ほとんどの家庭に暖炉があるので、炭や薪はもはや日用品と同じ。入手に困ることはない。

エアー式テントが今のトレンド
トンネル形状のツールームテントや、エアー式テントが数多く見られた。みんな大きめ。

電源サイトはもちろんフィッシュ&チップスもあるよ!